千代田区 令和7年度 子育て・教育予算概要
千代田区は、少子化を「静かな有事」と捉え、未来を担う子どもたちの成長を全力で支援します。
令和7年度の主要な取り組みと予算のポイントをご紹介します。
令和7年度 千代田区当初予算の全体像
千代田区の令和7年度一般会計予算は、総額約784億円と推計されます。このうち、子ども・子育て支援施策には総額196億円が計上されており、これは一般会計の約4分の1を占める極めて大きな割合です。
この巨額の予算は、千代田区が子育て支援を区政の最重要課題と位置づけ、区民が安心して出産・子育てできる環境を整備するための強力な財政的コミットメントを示しています。
令和7年度 重点取り組み事項:新規・拡充施策
千代田区の令和7年度予算案における子ども・子育て支援施策は、少子化対策への強い意志を反映し、具体的な新規事業と既存事業の拡充が多岐にわたります。これらは主に「子育て・教育環境の整備・充実」と「経済的支援の強化」の二つの側面から推進されます。
子育て・教育環境の整備・充実
千代田区は、子育て世帯が安心して生活し、子どもたちが健やかに成長できる物理的・制度的環境の整備に力を入れています。
新規学童クラブの運営補助 (予算額:8億2,279万円)
富士見・和泉橋地域に2施設を新設し、学童待機児童「0」を堅持。保護者の就労支援と子どもの健全な放課後環境を確保します。
夏場の遊び場として体育館を開放 (予算額:6,348万円)
旧九段中学校(毎日)と区立小学校(夏休み週1回×2か所)で体育館を開放。熱中症リスク軽減と安全な遊び場を提供します。
幼稚園の環境を充実 (予算額:6,839万円)
幼稚園給食検討、弁当提供、預かり保育時間拡充(朝・夕・長期休み)により、区立幼稚園の利用促進と子どもの成長を支援します。
区立小・中学校・中等教育学校の教材費を全額補助 (予算額:6,721万円)
R6年度の半額補助から全額補助へ拡充。公教育の充実と保護者の経済的負担を軽減し、教育の機会均等を確保します。
子育て・教育に関する情報発信と子どもの意見聴取に係る仕組みづくりを推進 (予算額:995万円)
「知りたい、伝えたい、ちよだのこと」調査(中高生対象)や子どもワークショップ(小学生対象)を実施し、子どもと歩む区政を推進します。
(仮称)千代田区こどもカルテシステムの構築 (予算額:1億4,445万円)
各種支援シートの情報一元化、保護者の記入負担軽減、継続的・計画的支援を目指すシステムを構築。AI活用や健診情報連携により、支援の質と効率を向上させます。
経済的支援の強化
千代田区は、少子化の主要因の一つとされる経済的負担感の軽減に重点を置き、妊娠前から学齢期以降まで、子育ての全ライフステージをカバーする手厚い経済的支援を導入・拡充しています。
卵子凍結に係る費用を助成 (予算額:2億1,272万円)
卵子凍結および凍結卵子を使用した生殖補助医療に対し、それぞれ上限10万円を助成。ライフプランの多様化に対応します。
不妊治療に係る費用を助成 (予算額:713万円)
保険適用外の先進医療に係る費用に対し、上限5万円を助成。不妊治療の経済的負担を軽減します。
出産に係る費用を助成 (予算額:1億8,600万円)
出産育児一時金(50万円)を上回る出産費用に対し、上限31万円を助成。出産時の直接的経済的負担を大幅に軽減します。
中高生世代への手当支給 (予算額:5億8,260万円)
中高生1人あたり月額15,000円の手当を新たに支給。子育てに係る経費増大に対応します。
大学等進学のための給付型奨学金 (予算額:1,419万円)
学業成績などを総合的に判断し、選考・支給する給付型奨学金を開始。高等教育への進学機会を保障します。
子どもの入院時の食事療養標準負担額を全額助成 (予算額:5億4,540万円)
子どもの入院時の食事療養標準負担額を全額助成。予期せぬ医療費負担を軽減します。
より支援が必要な子どもの療育経費の助成上限額を引き上げ (予算額:1,350万円)
発達障害など、より支援が必要な子どもの療育経費の助成上限額を1万円から2万円に引き上げ。特別なニーズへの支援を強化します。
千代田区の既存子育て・教育支援サービス
千代田区は、令和7年度の新規・拡充施策に加え、妊娠期から中学生まで、子育てのあらゆる段階をカバーする広範な支援サービスを既に提供しています。
妊娠から出産までの支援
妊娠届・母子健康手帳交付、子育てコーディネーターによる相談、ままぱぱ面談(こども商品券支給)、出産・子育て応援事業(ギフト支給)、バースデーサポート事業、育児支援訪問事業、里帰り出産妊婦健診費用助成など、妊娠判明時から切れ目のないサポートを提供しています。
0歳から利用できるサービス
産後ケア事業、乳児家庭訪問、各種乳幼児健診、予防接種助成、アレルギー・離乳食・多胎児相談、24時間365日対応の「千代田っこホットライン」、赤ちゃん・ふらっと、区立保育園・こども園・幼稚園の子育て支援、図書館でのブックスタートやおはなし会、児童館・子育てひろばでの一時預かり保育など、多岐にわたるサービスを提供しています。
通園から中学生までの支援
子ども・子育て支援制度に基づく保育認定、幼児教育・保育の無償化、区立小学校・中学校・中等教育学校、特別支援教育、放課後子ども教室、児童館、学童クラブなど、幼児期から就学後まで一貫した教育・保育環境を整備しています。
さまざまな相談や支援(経済、医療、福祉、教育、精神)
不妊検査等助成、児童手当、こども医療費助成、ベビーシッター利用支援、病児・病後児保育派遣費用助成、就学援助、奨学金などの経済的支援に加え、子どもの発達相談(さくらキッズ、はばたきプラン)、障害児支援、ひとり親家庭支援、教育相談(不登校、いじめ、LGBTQ等)など、多様なニーズに対応する専門的な相談窓口と支援制度を設けています。
千代田区の子育て・教育に関する詳細情報は、
以下の公式ウェブサイトやガイドブックをご覧ください。